伊勢神宮を1日で周るモデルコース!外宮・内宮・周辺施設を徹底解説

2025年10月29日
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「伊勢神宮を効率よくまわりたいけれど、どんな順序で参拝すれば良いの?」そんな疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

外宮と内宮の距離は離れており、正しい参拝の流れや移動手段を知らないと、時間を無駄にしてしまうこともあります。

本記事では、「お伊勢参りは外宮から」という古くからの習わしに沿って、午前・午後でめぐる伊勢神宮モデルコースを分かりやすく紹介します。

※本記事の内容は2025年10月20日時点の情報に基づいています。現在の最新情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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伊勢神宮の基本情報

まず、伊勢神宮の基本情報を紹介します。

伊勢神宮の概要と歴史

三重県伊勢市に鎮まる伊勢神宮は、「お伊勢さん」「大神宮さん」と呼ばれ、古くから日本人の心のよりどころとして親しまれてきました。正式名称は「神宮」です。

皇室の御祖神であり、国民の大御祖神として崇敬を集める天照大御神(あまてらすおおみかみ)をお祭りする皇大神宮(内宮)と、衣食住をはじめ産業全般をつかさどる豊受大御神(とようけのおおみかみ)をお祭りする豊受大神宮(外宮)を中心に、14所の別宮(べつぐう)・43所の摂社(せっしゃ)・24所の末社(まっしゃ)・42所の所管社(しょかんしゃ)、合わせて125の宮社で構成されています。

内宮は約2000年の歴史を持ち、ご神体には三種の神器の一つ「八咫鏡」が奉安されています。外宮は約1500年前に創建されました。両宮は同格ではなく、皇大神宮が神宮全体の中心として位置付けられています。

伊勢神宮の神様・ご利益について

伊勢神宮には、内宮(皇大神宮)と外宮(豊受大神宮)の二つの中心となるお宮があります。

内宮にお祭りされている天照大御神は、太陽を象徴する神であり、皇室の御祖神として日本国の安寧と人々の幸福を見守る存在です。ご神徳は、国家の繁栄や家内安全をはじめ、人の心を明るく導く力があると信じられています。

一方、外宮に鎮まる豊受大御神は、天照大御神に食事をお供えする「御饌都神(みけつかみ)」であり、衣食住をはじめ産業全般をつかさどる神として古くから信仰されています。そのため、五穀豊穣や商売繁盛、仕事や生活の安定を願って参拝する人も多く見られます。

20年に一度の式年遷宮

伊勢神宮では、20年ごとに社殿を新しく建て替える「式年遷宮」が行われます。社殿や御装束神宝をはじめ全てを古式のままに新調する、神宮最大の祭典です。

天武天皇の発意により始まり、持統天皇4年(690)に内宮、同6年(692)に外宮で初めての遷宮が行われました。以来、約1300年のあいだ20年ごとに繰り返され、平成25年(2013)には第62回の遷宮が古式にのっとって斎行されています。

古代には国家的事業として行われ、平安期には全国から「役夫工米(えふくべい)」と呼ばれる税を徴収して、遷宮の費用に充てていました。室町時代には財政難から中断を余儀なくされましたが、織田信長や豊臣秀吉、徳川将軍家の支援により再び復興しました。明治以降は国の儀式として継承され、戦後からは国民奉賛によって続けられています。

1300年以上にわたり受け継がれてきた式年遷宮は、「常に新しく、永遠に変わらぬ神宮」であることを象徴する、日本文化の根幹ともいえる祭典です。

伊勢神宮の回り方

伊勢神宮の回り方の基本を分かりやすく紹介します。

外宮→内宮の順で回る

伊勢神宮を参拝するときは、外宮から内宮へ回る順序が古くからの習わしです。これは「外宮先祭(げくうせんさい)」と呼ばれ、神宮の全ての祭典においても、まず外宮で儀式が行われ、その後に内宮で斎行されるという伝統に基づいています。

なぜ外宮から参拝するのかというと、外宮の御祭神である豊受大御神が、内宮の天照大御神にお食事を供える「御饌都神(みけつかみ)」であるためです。内宮の祭儀に先立って、まず天照大御神にお供えする食事をつかさどる豊受大御神に感謝と祈りをささげるという順序が重んじられています。

外宮先祭の流れにならい、参拝も外宮から内宮へ進む順が正式な作法とされています。外宮で心身を清め、続いて内宮で感謝を伝えることで、より深く神宮本来の祈りのかたちに触れることができます。

正宮→別宮の順で回る

伊勢神宮を参拝する際は、外宮から内宮へ、そしてそれぞれの宮では御正宮から別宮へという順序でのお参りが正式な作法です。

従って、参拝ルートは、外宮の御正宮 → 外宮の別宮 → 内宮の御正宮 → 内宮の別宮の順です。

御正宮では日々の感謝や国家安泰を祈り、別宮ではより個人的な願いや身近な祈りをささげることが一般的です。

伊勢神宮の参拝前に二見浦でみそぎ

伊勢神宮の参拝を前に、まず訪れたい場所が「二見浦(ふたみがうら)」です。ここは古くから「お伊勢参りは二見から」といわれ、心身を清める禊(みそぎ)の地として知られています。

古くからお伊勢参りの前には、二見浦の海水で身を清める「浜参宮(はまさんぐう)」が習わしとされてきました。現在では、社務所で霊草「無垢塩草(むくしおくさ)」を用いた「無垢塩祓(むくしおばらい)」が行われ、心身を清める儀式として受け継がれています。

境内には、海上安全を祈願する龍宮社や、天照大御神が隠れたと伝わる「天の岩屋」など見どころが多く、夫婦岩越しに望む日の出は神秘的な光景として人気です。神宮参拝の前に立ち寄り、心身を整えるみそぎの地として訪れる人が絶えません。

【午前】伊勢神宮・外宮を参拝

「お伊勢参りは外宮から」という古くからの習わしどおり、午前中は伊勢神宮・外宮を参拝しましょう。

おすすめのルートは次のとおりです。

  • せんぐう館
  • 正宮 豊受大神宮
  • 別宮 多賀宮
  • 別宮 土宮
  • 別宮 風宮

それぞれを詳しく解説します。

せんぐう館

伊勢神宮外宮の勾玉池(まがたまいけ)のほとりにある「せんぐう館」は、2013年に行われた第62回式年遷宮を記念して建設された博物館です。

名称の「せんぐう」とは、「式年遷宮」のことです。せんぐう館では、この伝統を後世に伝えることを目的に、遷宮の歴史や神事、御装束・神宝の制作過程などを紹介しています。

展示室には、神職が実際に使用する神具や、当代随一の匠たちによって奉納された装束・神宝の複製が並び、神宮の伝統技術を間近に見ることができます。また、御正殿の一部を原寸大で再現した模型は圧巻で、一般には立ち入ることのできない神域の荘厳な雰囲気を体感できます。

1300年以上にわたり続く式年遷宮の精神と日本文化の美を学ぶことができる、外宮参拝と合わせて訪れたい施設です。

正宮 豊受大神宮

せんぐう館で学んだ後は、外宮の中心である正宮・豊受大神宮(とようけだいじんぐう)へ足を運びましょう。

正宮 豊受大神宮は、伊勢市の中心部に広がる高倉山の麓に鎮まり、外宮の中心をなすお宮です。ここでは、衣食住をはじめ産業全般を守護する神・豊受大御神(とようけのおおみかみ)をお祭りしています。

創祀(そうし)の由来は、『止由気宮儀式帳』や『豊受皇太神御鎮座本紀』などに記され、雄略天皇の御代、天照大御神が「自らの食をつかさどる神を共に祭るように」と夢告されたことに始まります。天皇はそのお告げに従い、豊受大御神を山田原(現在の伊勢市)にお迎えし、立派な宮殿を建ててお祭りしました。これが豊受大神宮の創建といわれています。

以来、外宮では朝と夕の二度、神々に食事を供える「日別朝夕大御饌祭(ひごとあさゆうおおみけさい)」が、一日も絶えることなく行われてきました。御饌殿(みけでん)で供えられる食事は、清らかな水と米、塩、魚介、野菜など、自然の恵みそのものです。古代から変わらぬ形で続くこの神事は、日本人の食への感謝を象徴しています。

厳かな雰囲気の中に立つと、豊受大御神が見守る「命の営み」そのものを感じ取れるでしょう。

別宮 多賀宮

豊受大神宮の後は、外宮に属する四つの別宮のうち最も格式の高い第一別宮にあたる多賀宮(たかのみや)に足を運びましょう。

ご祭神は豊受大御神の荒御魂で、強い生命力と行動力を象徴する神として知られています。
穏やかな御心を表す和御魂に対し、荒御魂は新しい力を生み出し、困難を乗り越える勇気を授けるとされるため、新しいことを始める時にお参りすると良いと伝えられています。

多賀宮は98段の石段を上った小高い丘にあり、古くは「高宮」とも呼ばれました。その荘厳なたたずまいは、訪れる人に強い気を与えてくれるようです。

別宮 土宮

多賀宮の後は、土宮(つちのみや)へ足を運びましょう。

土宮は、大土乃御祖神(おおつちのみおやのかみ)をお祭りしています。この神は古くから山田原一帯を守護する土地の神として信仰され、外宮の創建後は宮域の地主神、そして宮川の堤防を見守る守護神として崇められてきました。平安時代の終わり頃に、現在の別宮の位に昇格したと伝えられています。

社殿は、御池にかかる亀石を渡って右手に進んだ深い杉木立の中に静かにたたずみます。周囲は凛とした空気に包まれ、神域特有の清らかさを感じられる場所です。

外宮の中でも特に自然と調和した厳かな雰囲気を味わえます。

別宮 風宮

最後に訪れたい場所は、外宮の北側に位置する風宮(かぜのみや)です。

風宮は、風雨をつかさどる級長津彦命(しなつひこのみこと)と級長戸辺命(しなとべのみこと)の二柱をお祭りしています。

これらの神々は、内宮の別宮・風日祈宮(かざひのみのみや)と同じ御祭神であり、古くから農作物の生育に欠かせない風や雨をつかさどる存在として崇敬されてきました。天候は豊穣や人々の暮らしに直結するため、風宮では正宮に準じるほど丁重な祭祀(さいし)が行われています。

社殿は、御池にかかる亀石を渡り、多賀宮へと続く石段の左手に位置します。木々に囲まれた静寂の中、穏やかな風が通り抜けるこの場所は、自然の恵みへの感謝と祈りが今も息づく神聖な空間です。

【ランチ】おかげ横丁

外宮参拝を終えたら、ランチは内宮近くの「おかげ横丁」へ向かい、ランチを楽しみましょう。

外宮からはバスで約15〜20分(三重交通バス「内宮前」行き)でアクセスできます。徒歩でも行けますが、距離は約4kmあり、およそ1時間前後かかるため、観光バスや路線バスの利用が便利です。

おすすめのお店は、次のとおりです。

  • ゑびや大食堂
  • 横丁いかだ荘
  • ふくすけ
  • おかげ横丁 豚捨

これらのお店は、伊勢市の旅先納税加盟店です。ふるさと納税の返礼品として、寄付額の30%相当の電子ギフト「伊勢eまちギフト」をお支払時にご利用いただけます。会計時に二次元コードを読み取り、お支払いが可能です。

それぞれのおすすめポイントを紹介します。

ゑびや大食堂

ゑびや大食堂は、伊勢神宮・内宮の門前町「おかげ横丁」にたたずむ老舗の食事処です。

創業から150年以上にわたり、伊勢の食文化とおもてなしの心を受け継いできました。店内では、松阪牛や伊勢海老、あわびなど三重の食材をふんだんに使った郷土料理が味わえます。中でも、地元で水揚げされた新鮮な魚を使った「地魚のてこね寿司」は人気の一品です。

また、伊勢神宮の内宮入口から徒歩1分の距離にある「ゑびや屋台」では食べ歩きも楽しめます。特におすすめは、伊勢名物の松阪牛寿司とあわび串です。香ばしくあぶられた松阪牛のうまみと、やわらかなあわびの食感は格別で、ぜいたくな食べ歩き体験ができます。

住所 三重県伊勢市宇治今在家町13
アクセス方法 おかげ横丁内
公式ホームページ https://www.ise-ebiya.com/
電話番号 050-1809-3924
営業時間 11:00〜16:00(L.O.15:30)
定休日 なし
駐車場 客室のコインパーキング
決済方法 現金
クレジットカード(VISA / Master / JCB / AMEX / Diners)
電子マネー(交通系電子マネー / 楽天Edy /nanaco / WAON / iD / QUICPay)
QRコード決済(Paypay / d払い)
伊勢eまちギフト

横丁いかだ荘

横丁いかだ荘は、伊勢志摩の豊かな海の幸を堪能できる人気の海鮮料理店です。

看板メニューは、自社で開発した「伊勢志摩プレミアムオイスター」です。一年を通して生で味わえる希少な牡蠣で、小ぶりながら身がぎっしり詰まり、濃厚な甘みとシャキシャキとした食感が楽しめます。

店内では、的矢湾で育ったブランド牡蠣の食べ比べ(2,320円〜)や、うまみが溢れる牡蠣フライ定食(2,100円)など、旬の味覚を多彩に楽しめます。また、鯛の刺身と香り高いかつお節を合わせた「波切節 鯛茶漬け(2,640円)」も人気の一品です。どの料理も素材の味を最大限に引き出しており、伊勢志摩ならではの新鮮な海の恵みを味わえます。

住所 三重県伊勢市宇治中之切町47
アクセス方法 おかげ横丁内
公式ホームページ https://okageyokocho.com/main/tenpo/ikadasou/
電話番号 0596-23-8829
営業時間 11:00~17:00(L.O.16:30)
※季節により異なる
定休日 なし
駐車場 近隣のコインパーキング
決済方法 現金
クレジットカード(JCB / AMEX)
電子マネー
伊勢eまちギフト

ふくすけ

ふくすけは、「伊勢うどん」といえば名が挙がるほど人気の老舗店です。

職人が丁寧に仕込む自家製のたれは、たまり醤油に昆布や鰹節などの天然だしを合わせて作られており、まろやかで優しい味わいが太麺によく絡みます。もちもちとした麺は食べ応えがあり、松阪牛肉やめかぶ、とろろ、たまご、大海老天ぷらなど、好みのトッピングで自分流に楽しめる点も魅力です。

江戸時代、伊勢街道沿いで「食べると福がある」と評判だったうどん屋をイメージして名付けられた店名には、旅人を幸せにするという思いが込められています。古き良き伊勢参りの雰囲気漂う店内で、ゆったりと伊勢の名物うどんを味わってみてはいかがでしょうか。

住所 三重県伊勢市宇治中之切町52
アクセス方法 おはらい町内
公式ホームページ https://okageyokocho.com/main/tenpo/fukusuke/
電話番号 0596-23-8807
営業時間 10:00〜17:00(L.O.16:30)
※季節により異なる
定休日 なし
駐車場 近隣のコインパーキング
決済方法 現金
クレジットカード(VISA / Master / JCB / AMEX / Diners)
電子マネー(交通系電子マネー / 楽天Edy / WAON / QUICPay)
QRコード決済
伊勢eまちギフト

おかげ横丁 豚捨

おかげ横丁 豚捨は明治42年創業の老舗精肉店で、伊勢肉を扱う名店として知られています。

専属契約を結んだ畜産農家で丁寧に育てられた未経産の黒毛和牛のみを使用しており、松阪牛のルーツとされる伊勢肉の味を今に伝えています。

店頭では、揚げたてのコロッケやミンチカツがテイクアウトでき、食べ歩きにもぴったりです。併設の食事処では、うまみたっぷりの牛丼や名物の捨吉鍋、ぜいたくなあみ焼きなど、本格的な牛肉料理を気軽に楽しめます。

伊勢ならではの肉のごちそうを堪能できる一軒です。

住所 三重県伊勢市宇治中之切町52
アクセス方法 おかげ横丁内
公式ホームページ https://okageyokocho.com/main/tenpo/butasute/
電話番号 0596-23-8803
営業時間 物販:9:30~17:00
飲食:11:00~17:00(L.O.16:30)
※季節により異なる
定休日 なし
駐車場 近隣のコインパーキング
決済方法 現金
クレジットカード(VISA / Master / JCB / AMEX / Diners)
電子マネー(交通系電子マネー / 楽天Edy / WAON / QUICPay)
QRコード決済
伊勢eまちギフト

【午後】伊勢神宮・内宮を参拝

おかげ横丁でランチをしたら、伊勢神宮・内宮を参拝しましょう。おかげ横丁から内宮の入口(宇治橋)までは徒歩約5分です。

内宮のおすすめルートは、次のとおりです。

  • 正宮 皇大神宮
  • 別宮 荒祭宮
  • 別宮 ⾵⽇祈宮

それぞれを詳しく解説します。

正宮 皇大神宮

内宮参拝の中心となる場所が、皇大神宮(こうたいじんぐう)です。

神路山(かみじやま)と島路山(しまじやま)の麓、清らかな五十鈴川のほとりに鎮まり、皇室の御祖神であり、日本人の総氏神として崇敬を集める天照大御神(あまてらすおおみかみ)をお祭りしています。

ご神体は、皇位継承の証である三種の神器のひとつ「八咫鏡(やたのかがみ)」です。今から約2000年前、倭姫命(やまとひめのみこと)が天照大御神の鎮座地を求めて旅を続け、伊勢の地を選んだことが内宮の始まりと伝えられています。平安時代末期には伊勢信仰が全国へ広まり、現在でも全国約8万社の神社の本宗として特別な崇敬を受けています。

社殿は約20段の石段の上にあり、天照大御神をお祭りする最も神聖な場所です。参拝の際は、石段下から一礼し、感謝の気持ちを込めて手を合わせましょう。

なお、撮影は石段の下までが許可されています。

別宮 荒祭宮

正宮への参拝を終えたら、次に向かいたい場所が荒祭宮(あらまつりのみや)です。
内宮に属する十所の別宮のうち、最も格式が高い別宮といわれています。

社殿は正宮に次ぐ規模を誇り、内宮の中でも特に力強い気が満ちる場所として知られてきました。ご祭神は、天照大御神の荒御魂(あらみたま)です。神の御魂には、穏やかに守護する「和御魂(にぎみたま)」と、積極的に変化をもたらす「荒御魂(あらみたま)」の二面があるとされ、荒祭宮ではその荒々しくも前向きな力を象徴する御魂が祭られています。

社殿は、御稲御倉や外幣殿を過ぎ、木々に囲まれた石段を下った先に鎮座しています。静かな森の中にたたずむその姿は、まさに神聖で荘厳です。

別宮 ⾵⽇祈宮

荒祭宮で心を整えたら、最後に訪れたい場所が風日祈宮(かざひのみのみや)です。

風日祈宮は、内宮神楽殿の授与所前から分かれる参道を進み、五十鈴川に架かる「風日祈宮橋(五十鈴川御橋)」を渡った先に鎮座しています。

ここには、風と雨をつかさどる神々である級長津彦命(しなつひこのみこと)と級長戸辺命(しなとべのみこと)が祭られています。橋の上からは四季折々の景色を望め、特に新緑や紅葉の季節は絶景です。鎌倉時代の蒙古襲来の際には、神風を吹かせたと伝わる場所でもあり、自然の恵みと平和に感謝をささげるにふさわしい締めくくりの地です。

【時間があったら】内宮参拝後にぜひ寄りたいスポット

内宮の参拝を終えた後、もし時間が余ったらぜひ寄りたいスポットは次のとおりです。

  • 別宮 月読宮
  • 別宮 倭姫宮
  • 猿田彦神社

それぞれ詳しく紹介します。

別宮 月読宮

伊勢市中村町に鎮座する月読宮(つきよみのみや)は、近鉄五十鈴川駅から徒歩約10分で到着します。

皇大神宮の別宮にあたり、月読尊(つきよみのみこと)をお祭りしています。天照大御神の弟神で、外宮の別宮・月夜見宮と同じ御祭神です。「月を読む」と書くように、月の満ち欠けを司り、暦を定める神として信仰されてきました。

境内には四つの社殿が一直線に並び、右から月読荒御魂宮・月読宮・伊佐奈岐宮・伊佐奈弥宮の順に鎮座しています。それぞれに月読尊の異なる御魂や、国産みの神である伊弉諾尊(いざなぎのみこと)・伊弉冉尊(いざなみのみこと)が祭られており、四社が整然と並ぶ光景はまさに神秘的です。

別宮 倭姫宮

倭姫宮(やまとひめのみや)は、近鉄五十鈴川駅から徒歩約10分または、三重交通バス「徴古館前」停留所で下車し、徒歩約3分です。

皇大神宮の別宮で、御祭神は倭姫命(やまとひめのみこと)です。第11代垂仁天皇の皇女であり、天照大御神を現在の伊勢の地へ導いたと伝えられています。倭姫命は御神託を受けて各地を巡り、伊勢の国に入った際に「ここに鎮まりたい」という天照大御神の言葉を受け、この地に内宮(皇大神宮)を創建しました。

倭姫宮は、神宮125社の中でも比較的新しく、大正12年(1923年)に創建されました。静かな森の中に鎮座し、近くには神宮徴古館や神宮美術館、農業館などが点在しており、伊勢の歴史と文化を感じながら散策できます。

猿田彦神社

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内宮から徒歩約15分の場所にある猿田彦神社は、「みちひらきの神」として知られる猿田彦大神をお祭りしています。

古事記や日本書紀によれば、天孫降臨の際に瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)を導き、天と地をつなぐ最初の導き手となった神です。その後、妻神である天宇受売命(あめのうずめのみこと)とともに伊勢・五十鈴川のほとりに戻り、この地を開拓したといわれています。

また、「皇太神宮儀式帳」によると、猿田彦大神の子孫である宇治土公家(うじのつちぎみけ)が倭姫命を伊勢の地へ導き、皇大神宮(内宮)創建のきっかけを作ったとされます。現在も同家が代々宮司を務め、古くから「導きの神社」として信仰されています。

住所 三重県伊勢市宇治浦田2-1-10
アクセス方法 バス:近鉄・JR伊勢市駅、近鉄宇治山田駅、近鉄五十鈴川駅から内宮行バス乗車、猿田彦神社前下車
公式ホームページ https://www.sarutahikojinja.or.jp/
電話番号 0596-22-2554
参拝時間 24時間(授与所 8:30~17:00)
定休日 なし
駐車場 あり

知っておきたい!伊勢神宮参拝時のルール

伊勢神宮を参拝する際は、古くから受け継がれてきた作法やマナーを守ることが大切です。参道の歩き方から拝礼の手順まで、知っておきたい基本ルールを紹介します。

外宮は左側通行、内宮は右側通行

伊勢神宮では、外宮は左側通行、内宮は右側通行が基本マナーです。

伊勢神宮公式サイトでも案内されており、参道の構造や手水舎の位置関係が影響しているといわれています。外宮では手水舎が左に、内宮では右にあるため、自然と通行方向が異なるようになったという説が一般的です。

安全かつ整然とした参拝のために、外宮は左側通行、内宮は右側通行の慣習に従うことが望ましいでしょう。

参拝前に身と心を清める

神域に入る前には、手水舎(ちょうずや)で手と口を清め、身も心も整えることが参拝の基本です。

作法は、まず右手で柄杓(ひしゃく)を持ち左手を清め、次に持ち替えて右手を洗います。その後、左手に水を受けて口をすすぎ、再び左手を清めてから柄杓(ひしゃく)の柄を洗い流して戻します。

手水舎での所作には、外側の汚れだけでなく、心のけがれを払い、神様の前にふさわしい清らかな状態になるという意味が込められています。静かな気持ちで行いましょう。

二拝二拍手一拝

深いお辞儀を「拝(はい)」、手を打ち鳴らすことを「拍手(かしわで)」といい、いずれも古来より神に敬意を表す作法とされています。

参拝の手順は、まず深く二度礼をし、胸の高さで両手を合わせて右手の指先を少し下げ、二回拍手をします。その後、両手を戻してもう一度深くお辞儀をしましょう。

西行法師の詠んだ「何ごとの おはしますかは しらねども かたじけなさに 涙こぼるる」の句にあるように、神前では敬虔(けいけん)な気持ちで静かに祈ることが何よりの作法です。

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